自動車関連の企業に就職するとまず初めに「工場実習」というものがあります。
「まずは現場を知ってこい」ってやつですね。
これが本当に過酷なんです。
つらい、辛すぎる…
実際に自動車部品メーカー(サプライヤー)の開発職に就職した私が体験した工場実習の一例をお伝えします。
辛すぎるライン作業
工場実習は製品を製造する「ライン」に入って行われることが多いです。黙々と単純作業を機械のように行います。
ラインに入っての工場実習で辛かったことを書き留めていきます。
2交代制の生活リズム変更がつらい
私が実習に行った工場は「2交代制」で、いわゆる「夜勤」勤務があります。2交代制や3交代制の工場は多いのではないでしょうか。
夜勤勤務はものすごく辛かったです。襲い来る眠気との闘いがありました。
そして何より辛いのは2交代制のシステムによる体内時計の調整です。
2交代制は一週間単位で日勤と夜勤を交互に行うというシステムでした。一週間まるっと日勤、翌週は一週間まるっと夜勤、そのまた翌週は日勤です。
日勤→夜勤
夜勤→日勤
週末の土日に生活リズムを変えなければなりません。「夜勤→日勤」に切り替わる週末は休みなんてあったものではありませんでした。
襲い来る筋肉痛
工場現場での作業はスポーツとはまた違った筋肉を使います。工場実習の最初は全身筋肉痛でした。
手作業が多かったため、手が痛くなり卵も持てなくなるほど握力が低下しました。それでも実習は続きます。
長すぎる現場実習
単純作業を黙々と行うラインに入っての実習。長くても1か月で満足です。私は9か月もこの実習がありました。本当につらい日々でした。
こんな長期間もいらないです。そりゃぁ工場実習に行く人たちが「辞めたい…」とボヤきたくなる気持ちも分かります。
本社も工場へ特に指示を出さず「工場の都合が良いように新人を使ってください」という感じだったので、新人はみんな不満そうでしたね。
何度も辞めたいと思った
会社の教育意図が分からない長い工場実習。正直、何度も「辞めたい」と思いました。
そして実際に辞めていく人もいます。
工場実習で転職をする人は一定数いますので、転職を視野に入れるのもアリですよ。工場実習を通して転職したいと思う人は多いのです。
工場実習をして良かったこと
工場実習をして得られたことを少しだけ紹介します。工場実習の感想文に使って良いですよ。笑
工場のリーダーと知り合える
工場実習の後に開発職へ配属となったのですが、その時に現場で働いているリーダーとあらかじめ知り合えているので話を通しやすかった…というのは良かったことです。
開発では工場とやり取りをすることも多かったので、知り合いが増えたのは純粋に仕事の幅が広がってよかったです。
工場で役職についている人とのコネクションはいつか必ず役に立ちます。
ものづくりを知ることが出来る
現場にいると、実際に製品がどのように出来ているのかを知ることができます。開発業務にあたった時に変な仕様にしないように開発するためのヒントになります。
作業性の悪い仕様にしないように開発を進めることが出来るのです。
外国人とのコミュニケーション力UP
工場には海外から日本に働きに来ている人がたくさんいました。みんながみんな日本語を話せるわけではないので、英語を使う場面も多かったです。
そして日本人とは異なる文化で育った人たちなので、常識も当然違ってきます。私は大学院を卒業して新卒で工場研修に行きましたが、「その年で結婚していないのはおかしい!」と海外から来た労働者にディスられまくりました。(汗
言語の違い・文化の違いを体験出来たのは工場ならではならではだったと思います。
夜勤手当でがっぽがぽ
開発業務では「夜勤」はありません。工場現場で働いていた時の夜勤手当はかなり美味しかったです。
工場での夜勤はとてもきつかったですが、夜勤でお金はがっぽり入りました。初年度は税金を引かれないので、貯まったお金で早々と自動車を購入する仲間も多かったです。
工場勤務が終わり開発業務が始まると、しばらくは工場現場で働いていたころの給料よりも低いです。
まとめ:辛い工場実習は短期で終わらせたい
夜勤手当が美味しいとか現場の重要人物と知り合いになれるとかメリットがあるからこそ「研修」として組み込まれることが多い工場実習。
でも
短期間でよくない?
というのが本音。
短期間でも知り合いは増やせますし、工場でのものづくりを知ることができます。長々と身体が壊れそうになるまでやるようなことではないような気がします。(ここで脱落する人もいるくらいきついです)
会社によって実習のカリキュラムは異なりますが、自動車関連の業界だと似たような工場実習をするところは多いです。
もし、意味もなくダラダラと研修させている企業であれば見切りをつけるのもアリだと思いました。研修で辞めたとしても法律的に何も問題はないので、逃げ道は確保しておいてくださいね。